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おすすめ本

傑作!おすすめ小説60選|活字中毒が厳選した私的ランキング

読み始めたら止まらないような、面白い小説をお探しですね?

そこで今回は、活字中毒の私がこれまで読んだ小説で「これは傑作!」「絶対におすすめ!」とあなたにおすすめしたい傑作小説を60冊紹介します。

時間を忘れて読んでしまうような小説ばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

それでは、さっそくご紹介ですっ!

 

傑作!おすすめ小説60選

そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー

ミステリーの女王アガサ・クリスティの名作です。

アガサ・クリスティの最高傑作とも言われる作品です。

まだ読まれていないミステリ小説ファンの方であれば絶対に一度読むことをおすすめします。

ミステリ小説の基本形は、「被害者がいて、犯人がいて、探偵がいる」というものですが、『そして誰もいなくなった』に探偵は登場しません。

赤の他人同士、頼れる者も信用できる者もいない。

脱出方法も、連絡手段も閉ざされた孤島の館の中で、一体誰が犯人なのかを探り合う登場人物たちの心理描写が秀逸です。

読んでいるうちに、まるで自分自身も登場人物の1人になったかのような錯覚を覚え、次にどんな展開が待っているのか、続きを読み進めずにはいられなくなります。

何度も映像化されているのは伊達ではなくおもしろいです。

題名の通り「誰もいなくなる」それでも存在する犯人。

では犯人は?完全密室殺人です。

絶対に見破ることこできない巧妙なトリックに、誰もが最後驚くこと間違いなし!

絶対に期待を裏切らない最高傑作です。

ミステリ小説が初めてという方にもぜひ手に取って欲しい作品。

アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス

幼稚園程度の知能しかなかった主人公チャーリーが、手術によって天才に生まれ変わる。

そのことによって、今まで幸せだと感じていた全ての事が悲しい事実だと気付いてしまいます。

以前なら人を憎んだりうらやむというような負の感情など全くなかったのに。

見えなくていいものまで見えてしまい、ついには同じ手術を受けたネズミのアルジャーノンよりも知能が上回ります。

この一連の流れを、手術の経過報告の形で物語が書かれているのですが、人としての幸せとは何なのだろうと深く考えさせられました。

天才だから、人より優れているから本当に幸せだといえるのかどうか。

そして、ピークに達した頭脳が徐々に低下していく様子は本当に辛いものでした。

文章も、チャーリーの変化によって拙い平仮名から漢字交じりに変化していくのもすごく心情が伝わってきました。

経過報告の最後のチャーリーの言葉「アルジャーノンのお墓に花束をあげてください」は、涙があふれて止まりませんでした。

読み終わっても涙が止まらなくなる感動作だと思います。

指輪物語/J.R.R. トールキン

なんといっても、ファンタジー小説の金字塔だという点で、ファンタジー小説好きなら絶対に読むべきだと思います。

全てのファンタジー小説の基礎がそこにあります。

幾重にも重なり合うヒューマンドラマは圧巻ですし、登場人物一人一人に物語がありますから絶対に一人はお気に入りのキャラクターが見つかります。

本作は映画にもなっていますが、映画では描き切れていない部分がたくさんあります。

映画だけ観てハテナマークだった人も、本作を読めば、そういうことだったのか!と納得できると思います。

また設定厨の方にもぜひ読んでほしいと思います。

第1巻の冒頭で、かなりのボリュームを使って説明される世界観は見事の一言に尽きますし、その物語に没入するための下地になるでしょう。

国境/黒川博行

黒川博行さんの疫病神シリーズです。

おなじみの疫病神コンビがなんと北朝鮮で大暴れします。

この小説が執筆されたのはかなり前(10年以上)ですので当時は今以上に実態の分からない国をどうやって取材したのだろう、と思いました。

そんな不思議の国と大阪神戸を舞台に二宮と桑原が銃撃戦や密入国を繰り広げます。

テンポの良い掛け合いはもちろん面白いですが、北朝鮮国内の描写が秀逸です。

執筆されたのはかなり前ですが、今もこんな感じ、いやそれ以上に人民はひどい暮らしを強いられているのかな、と思いました。

この臨場感ある北朝鮮の描写に圧倒され、黒川博行さんの取材力、悲惨ささえ感じる北朝鮮をエンターテインメントに落とし込む構成力に魅了されました。

本日は大安なり/辻村 深月

私が「本日は大安なり」をおすすめする理由は、ウェディングプランナーのお仕事の魅力を感じることができる小説だからです。

この作品は結婚式場が舞台で、ある大安の日に数組の結婚式が行われるのですが、そこで起こる事件と犯人を捜すストーリーとなっています。

もちろん、事件の真相は何なのかを考えたり、犯人捜しをするところも楽しいですが、中心人物であるウェディングプランナーにも焦点が当てられているところが魅力です。

このウェディングプランナーは、自分が過去に抱えた婚約破棄という辛い経験を通し、お客様には幸せになってもらいたいという一心で毎日仕事に励んでいます。

結婚式の影の支え役であるウェディングプランナーのお仕事もよく知ることができ、おすすめです。

マチネの終わりに/平野啓一郎

恋愛小説というくくりですが、今までとは全く違う感覚の小説です。

それは、登場人物がとても限られていて、少人数であること。

そして、二人の精神が気高く、崇高なこと。

どこまでも、内面を掘り下げて行くとろがとても引き込まれていく、要素があります。

ストーリー自体は、二人は、ごくごく少ない会話しかしていないのに、お互いが、引かれあって行くのに、現実にはお互いが違う人と結婚して、すれ違い、またそこがハラハラもやもやさせられるのが、とてもいいのです。

でも、結局、最後の結末二人は、現実には何もなかったようにまたすれ違って終わるのです。

大人のラブストーリーだと思います。

是非、大人の男性に読んでもらいたい一冊です。

みんな邪魔/真梨 幸子

青い目のジャンヌという少女漫画をこよなく愛するファンクラブ役員の中年女性グループに、新たな仲間が入ったことで起きる騒動の話です。

グループではみんな外国名のあだ名で呼びあってるけど、ほんとはおばさんで、みんないろいろ抱えておりという話で、痛いおばさんの話です。

すごく意地の悪い書き方で、ひどいなと思うのですが、ハマってしまってどんどん読み進めてしまいます。

お互い、あいつよりマシと思っていたり、新しく入った若い子をとりあったり、ああ、女だなと思って、ほんと心をえぐられる感じです。

真梨幸子さんが著者なのですが、この人の作品はほんと人間の意地汚い部分が出ていておもしろいです。

イヤミス(読むと嫌な気分になるミステリー)好きな人にオススメです。

つみびと/山田 詠美

児童虐待のニュースがよく報道されて、なぜ親は幼い我が子を虐待してしまうのかを知りたい方にお勧めの本です。

本作では、主人公・蓮音自身のこれまでの生い立ちと母の生い立ちが交互に回想されていく構成となっています。

この小説ではフィクションにも関わらず、ノンフィクション以上にリアリティを感じるものとなっています。

蓮音が次第に精神的に追い詰められていく様子が痛いほど伝わってくる作品となっています。

県庁おもてなし課/有川浩

高知県庁に突如設けられた「おもてなし課」。

何をやるかもわからない主人公たちが、とある県在住の大物プランナーとの出会いによって、少しづつ発想の転換がおこり、お役所仕事から脱出していく様子が描かれています。

何となく県職員になってしまった主人公は、仕事も恋もなんとなく中途半端になってしまっていたけれども、だんだんと、地方自治の最前線である県庁職員としての自覚に目覚める様は、感動的です。

また、有川浩さんは高知県出身ということで、高知県の自然の素晴らしさや、美味しい食べものなど、高知愛にあふれる内容となっています。

何年か前に映画化もされた作品ですので、イメージもつきやすいかもしれません。

また同じ夢をみていた/住野よる

住野よるさんの小説は全部好きなのですが、特に「また同じ夢を見ていた」は、読んでいくうちに涙が止まりませんでした。

小学生の、すこし変わった大人びた女の子が、初めはまわりにも馴染めないのですが、何人かの登場人物に出会い、成長していき、「幸せとは何か、人生とは何か」を探していく姿に心動かされます。

また、住野よるさんの小説はお洒落な言い回しも多いです。

「人生とはプリンみたいなもの。甘いところだけでおいしいのに、苦いところもありがたる人もいる」なんて、たしかになぁと納得してしまいます。

ファンタジー要素もあるのですが、それよりも自分にとっての幸せってなにかなぁと、小説を読みながら考えてしまう、深い作品です。

最後のフレーズも、意味がわかるとすごく幸せな気持ちになるので、是非読んでいただきたいです。

しゃばけ/畠中 恵

江戸時代の日本橋を舞台にした創作ファンタジー小説です。

「妖」(あやかし)と呼ばれるこの世のものではない者たちと、日本橋に店を構える「長崎屋」の若旦那が協力して、江戸の事件・お悩みを解決していくストーリーになっており、とてもテンポがよくスッと物語に入り込めます。

若旦那は器用にはやり病を拾ってはしょっちゅう死にかけている、というどこか頼りない主人公ですが、妖たちとの掛け合いが面白く、江戸っ子らしいユーモア溢れる会話にはすぐにハマれると思います。

また、江戸の様子についての描写がとても細かいので、江戸の文化を勉強するための良い材料にもなるのではないかと思います。

個人的には、妖怪の名前をたくさん覚えることができたので面白かったです。

霧越邸殺人事件/

所謂「本格」ミステリなのであまり内容に踏み込んで記することは出来ないのですが、原稿用紙一千枚という長さにも拘わらず、サクサク読ませて見事にエンターテイメントとして成立させているところがおすすめなのです。

単行本のカバーの袖には「猛吹雪と化した密室の館。難を逃れて偶然に投宿した9人を襲う、意味不明の美しき連続殺人・・・。」といった文言だけなのです。

私は新潮文庫で読んだのですが、季節は冬でこの小説と同じ季節ということもあってよりディープに作品世界に溶け込めたことを覚えています。

の作品はちょっと変則的な上梓のされ方をしていて、まず、新潮社からハード・カバーで刊行され、次いで同社より文庫化され、次が祥伝社より新書化され、現在では角川書店より上・下に分かれての文庫での刊行といった道程を辿っているのです。

これだけ版型を変えての刊行なのですから、如何に完成度の高い作品というということが窺えることでしょう。

ORIGIN/ダン・ブラウン

映画化もされた『ダ・ヴィンチ・コード』の続編でもある、壮大なミステリー小説です。

海外のミステリ小説が好きなのであれば、本作をチェックしてほしいと思います。

本作も『ダ・ヴィンチ・コード』に引き続き、科学と宗教の二対立構造で描かれています。

宗教の闇を暴こうとする科学者が突然宗教者の手によって殺害されてしまう中盤から、物語は一気に面白さを増します。

最初は翻訳本特有の読みづらさがあるかもしれませんが、読み進めていくうちにそんなことは全く気にならなくなってきます。

続きが気になって気になってしょうがない、という、童心に帰ったような気持ちで読むことができる一面もあり、宗教や美術、科学についての知識もつく大人向けの一面もあり、多くの人が楽しめる作品です。

夜廻/保坂 歩

原作が「夜廻」と言うゲームの小説で、小学生の主人公が、いなくなった飼い犬のポロと姉を探しに行くストーリーです。

小説では、主人公視点のストーリーと主人公の姉の視点のストーリーの交互に進んで行きます。

ゲームでは語られなかった、主人公が何を思っていたのか。

姉視点のストーリーで語られる、お父さんやお母さんの話、姉と飼い犬ポロとの出会いの話、妹に対する思い。

この小説を読めばゲームで疑問だった謎が大体解けます。

ゲームをプレイしていなくても、読んで面白かったです。

私は先に小説を読んで、後からゲームを買いました。

怖くてゲーム出来ない!と言う人は是非買って欲しいです。

最近、文庫本も発売されました。

挿し絵を描いているのはゲームのディレクターの溝上侑さんです。

ぜひ読んでみて欲しいです。

きいろいぞう/西加奈子

西加奈子さんの作品で、映画化もしたお話です。

独特の世界が詰まっている作品だと思います。

こんな夫婦素敵だな、と思わせてくれる小説。そして周りの人のあたたかさを感じることができる小説となっています。

登場人物のネーミングセンスや、動物や亡霊と話をすることができる妻の言動にも注目です。

その中でも私のおススメのポイントはふたつあります。

ひとつは、妻が小学生の男の子にもらったラブレター。

その手紙が本当に好きで、とてもとても愛おしい気持ちになります。ぜひ読んでいただきたいです!

そしてふたつめは、近所の老夫婦のおじいさんが、奥さんへの愛を叫ぶシーンです。もう、泣けます。

独特の世界観で、独特な登場人物がたくさん出てきます。

後半は重い内容となってきますが、クスッと笑えるところや考えさせられるところがたくさんあるお話なので、ぜひ多くの人に読んでいただきたいです。

贖罪/湊かなえ

「告白」の湊かなえの作品です。

WOWOWでドラマ化もされた、なかなか重い話です。

子どもの頃、友達が殺されてしまった4人の女性と殺された子の母親を主人公にした連作小説です。

子どもたちは、友達を殺した犯人の顔を見たのですが、それを思い出せず、そのことで母親から恨みを買い、贖罪をしろと言われ、それぞれ傷を負って成長します。

そのトラウマの表れかたは人それぞれで、一人一人、数奇な運命が待っていて、おもしろいです。

友達殺しの犯人の話も、母親の過去の話が関わっていたりして、読み応えがあります。

それぞれの話が、友達の殺人事件でつながっているけど、1話ずつ完結はしているので、今日はここだけ読もうとかかしやすく、読みやすいのもオススメポイントです。

十角館の殺人/綾辻 行人

この作品により所謂「新本格」のムーブメントが生まれた記念碑的小説。

この小説については終幕の“一行”が多大なインパクトを読者に与えるのですが、当然といってしまえば残念なのですがこの秀逸なトリックを理解してくれない輩もいるのがいるのも事実。

ですが’87年上梓の作品が未だに版が途切れることもなく書店の店頭にあり続けるというのはやはり、この作品の完成度の高さが窺えることでしょう。

内容についてはミステリなので踏み込んだことは書けないのですが、大学の推理小説サークルのメンバーたちが離れ小島にある十角館に泊まりがけで訪れるのですが、そこで起こる連続殺人!といった内容です。

時代設定も1986年なので、携帯もネットもない、外部との連絡も一切繋がらないという状況。

これを読まずして日本のミステリは語れないとここで断言してもいいくらいです。

時計館の殺人/綾辻 行人

綾辻行人氏の“館シリーズ”第5作目。

この本を店頭で手に取り最初の方のページを開き登場人物の多さにたじろいだものでしたが、この時計館にまつわる人たちが、病気や事故、自殺で既に死亡しているのです。

“何だか不吉な感じだな”などと思いワクワクしたのを覚えています。

少女の亡霊が徘徊するという時計館に雑誌の取材と称して9人の男女が訪れるのですが、そこで起こる無差別殺人の恐怖。

前作『霧越邸殺人事件』と双璧をなすような、質・量ともに圧巻な作品であります。

サスペンフルな展開そして“時間”というものに対しての激しいまでの抵抗。

そのテーマや終盤のめくるめく真相など読み応えたっぷりな一編であります。

この作品で綾辻氏は第45回日本推理小説作家協会賞を受賞しています。

黒猫館の殺人/綾辻 行人

綾辻行人氏の“館シリーズ”第6作目。

前作『時計館の殺人』から、約半年という比較的短いインターバルで上梓された作品。

文庫解説で法月綸太郎氏が「『霧越邸殺人事件』や『時計館の殺人』に比べるとどうしても軽量級の感が否めない」とはいっていますが、トリックのスケールの大きさはシリーズ中随一だと思われます。

また、ここでヘタなことを書けばネタバレになりかねないのです。

ただ、私の知人が本作を読んで意外性を通り越してある種のバカバカしさすら感じた、といっていたのを思い出します。

綾辻氏自身もとある小説の新人賞を務めていて、そこに投稿された作品の寸評で「アイディアそのものを全否定する訳ではない。一見どんなにバカバカしいネタでもそのトリックを通用させる世界観を構築をできれば良い」といった趣旨の発言をしているので。

QED~百人一首の呪/高田祟史

QEDシリーズの最初の作品が今回オススメしたい作品です。

QEDシリーズは歴史などの考察を絡めた推理小説なのですが、今まで読んだ小説の中で一番歴史の裏を考察していて面白い作品でした。

現実起こる事件が歴史のある一面と辛み、更に主人公達が薬剤師であるために出てくる薬や毒などが歴史の中でどれだけ重要の位置づけだったのかが語られるので、歴史をこんな観点で見る事もできるのだなと毎回感心しています。

そんなQEDシリーズの最初の作品が「百人一首の呪」でまだ主人公達はお互いを理解している訳でも無く考察を聞いても「本当なのか?」と言う疑心が残っています。

ですが、そんな中でも鮮やかに紐解かれていく現代の事件の謎や歴史の裏側に引き込まれるように読み進めて最後まで読んでしまいたくなる魅力があると思います。

歴史の一つの考察として楽しめる方や、そういった考察が好きな方にはオススメだと思います。

暗黒館の殺人/綾辻行人

館シリーズ”としては’92年発表の『黒猫館の殺人』以来なんと12年ぶりの上梓。

私個人としては’95年あたりから「次の”館”を読みたいな」などと思っていた訳でして、私はおよそ9年間待っていたことになります。

この作品は当初2000年から講談社のPR誌「イン・ポケット」に足掛け5年にもわたって連載され2004年秋に講談社ノベルズとして上・下巻での刊行となった訳です。

長い間待っただけあって、面白さは折り紙つき4日くらいで読了しました。

綾辻氏の作品(特に“館シリーズ”)には大きな仕掛けがあり、“今回はトリックを見破ってやろう”などと思ったのですが見破ることは出来ませんでした。

ただ、“どうして、これについて触れないのだろう?”などと疑問に思った箇所もあり、後で“やっぱりな、どうりでそれについての記述なかった訳だ”といった感想を持ったものでした。

例によって内容には余り触れませんが、九州・熊本の離れ小島に建つ”暗黒館”で起こる“無意味の意味(?)”な殺人事件に遭遇する”私”こと“中也”の視点で物語は進みます。

兎に角、質・量とこれまでの“館”を凌ぐ出来となっていて、前述のとおり読み出したら止まらない作品に仕上がっています。

魔闘学園/菊地 秀行

喧嘩に明け暮れる高校生・悪気乱作が地球侵略を目論むエイリアンたちを喧嘩で倒していく、バイオレンス・ロマンとでも言うべき作品。

悪気が通う帝高校に美少女・村雨紫水が転校してきたところから、超人的な能力を持つ警官や女教師が悪気に襲いかかります。

紫水は悪気に“彼らはエイリアン”だといいますが、悪気は最後までエイリアンだと認めません。

更にそこに番長グループまでが加わり悪気を中心に凄絶な死闘が繰り広げられます。

兎に角、菊地秀行氏お得意のバイオレンスな描写が全編に漲っており、それがエンターテイメントとして見事に成立しているのは流石としかいいようがありません。

菊地氏は多作であり様々な世界観を持つ作品を発表していますが意外と学園ものは少なくファンとしては、もっと氏の学園ものが読みたいです。

八朔の雪/高田郁著「身をつくし料理帖」シリーズ

シリーズ全部を読んでほしいのでシリーズ第一作の名前を書きましたが、シリーズ全作品を読んで良さが伝わる名作だと思っています。

江戸時代を舞台とした時代小説ですが、いわゆる武士同士の切り愛などが登場するわけでもなく、女性料理人が男性社会とされてきた料理の世界で悪戦苦闘しながら成長していくストーリーに魅力を感じました。

また、小説として面白いのはもちろん、自然界に普通に存在する動植物の中に、きちんと処理しないと毒になってしまうような物が存在するという、現代の実生活にも役に立つ知識も得られる作品になっています。

つらい展開、悲しい展開も多々登場しますが、それらを乗り越えて成長していく主人公の姿を楽しんでいただけると自信をもって推薦できる作品になっています。

秘密結社にご注意を/新藤 卓広

少し前の第11回「このミステリーがすごい!」大賞で優秀賞受賞作品に輝いた、新藤卓広さんの推理小説が本当にすごいです。

主人公が巻き込まれる非日常的な業務から始まり、同じ時間軸で別の事件が横にいくつも広がり、読むことを中断出来ないほど引き込まれます。

途中で何度も読み返して状況を再確認しないと自分が置いて行かれるような気になって、食らいつきました。

しかし文章は会話も多く、世界観を想像しながら読み進めることが出来ました。

後半になればなるほどストーリーは複雑に進んでいくのですが、ここからが素晴らしい。

全ての事件がひとつずつ繋がり、張り巡らされた伏線が全部回収されていく様が本当に言葉に出来ないくらい感動しました。

読み終わった後は「はぁ~」という変な達成感でいっぱいになります。

何度も読み返してしまいました。

初めて読む方には内容に関してカラッポの状態で読むことが最高におすすめです。

私自身また読み返してみたくなってきました。

心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている/神永 学

心霊探偵という奇妙な仕事をする主人公八雲。

彼の右目は真っ赤でその目は亡くなった人の魂を見ることができます。

そんな彼は自分の性質を活かし、死者の魂と会話して刑事事件を解決していきます。

特異な体質から人に避けらた過去から、自らも人と関わることを好みません。

しかし、そんな彼の前に現れた女子大生、はるか。

彼女の素直さやひたむきさに八雲も少しずつ変わっていきます。

最初はただのミステリーだと思って読み始めました。

しかし、現実にはありえない死者との会話によって解決される事件にいつもハラハラドキドキさせられます。

また、八雲を取り巻く周りの登場人物たちのキャラクターも面白く、読んでいて楽しい。

人を信じることの難しさや大切な人を守る大変さを感じます。

表立った事件は1巻ずつで解決するが、裏には繋がる伏線が。

その展開にも注目すると、何度も読み返してしまうでしょう。

アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

まず第一に、伊坂幸太郎さんの小説はすべて面白く、オススメしたいです。

理由としては、登場人物に関する話が章として分かれ、パラレルに進み、それらが最後にドンドンつじつまが合っていくような、すべてが最後に合わさり合うようなトリックが逸材です。

アヒルと鴨のコインロッカーも、そのような展開で物語が進んでいきます。

映画化もされており、本屋大賞受賞作品でもあり、誰もが認める面白さだと思います。

また、すべてを読んだあとに、「だからタイトルはアヒルと鴨のコインロッカーなのか」と気づけるのも面白いです。

最後が分かった上で読む二回目の読書も、伊坂さんの作風(最後につじつまが合う作風)も相まって、「ここに布石があったのか」と気づくのも面白いです。

初めは全く繋がりを感じられなかった2つのストーリーが、主人公がどんどんとこの物語に巻き込まれていくとともに、別々に進んでいた2つの物語が少しずつ繋がっていき、それとともに悲しい過去の出来事が呼び起こされていきます。

この本のオススメポイントは別々に進んでいた話が読み進めるごとに少しずつ繋がっていくところがパズルのピースがはまっていくような気がして、一気に読んでいけます。

私の一番好きなシーンは最後にラジオをロッカーにしまって、神様は見えないところに閉じこもって貰えばいいと言うところです。

この物語の哀愁を感じます。

登場人物の個性に笑いつつも全体のストーリーに涙できる作品だと思います。

終末のフール/伊坂幸太郎

この小説は、数年後に小惑星が衝突するということが分かってから、人々がどのように残りの人生を過ごすか描かれたものです。

この本は、複数の短編ストーリーでできており、それぞれ違った価値観を感じることができ、「生き方」について考えさせえてくれます。

また、短編であるため読みやすいだけでなく、それぞれのストーリーがどこかでつながっており、伊坂幸太郎さん特有の独特な世界観を感じることができます。

また、この著者の作品は、ミステリーや殺人など非現実さを感じる作品が多いですが、この「終末のフール」については、人生や命についてリアルに考えることができます。

また、今日をいかに大切に生きるべきか、この当たり前の生活が当たり前でないことを教えてくれます。

東京會舘とわたし/辻村深月

東京會舘が大正9年に建設されてから、令和の現在に至るまでの苦悩と困難を描いた作品です。

関東大震災の折には営業を一時停止したものの見事に復活し、また第2次世界大戦中は、市民の利用から政府が利用することとなり、戦後は進駐軍に接収されるという波乱に満ちた歴史が克明に描かれています。

東京會舘と関わりが深かった様々な人から見た視線で描かれている本作品は、時代の苦悩を考えさせられます。

その一方で、東京會舘を今日まで守り抜くことが出来たのは、そこで働く従業員の心意気と暖かさであったと感じます。

悲しくて悔しくて涙する場面もありましたが、いつもそこには従業員達の暖かさが溢れており、感動が胸を貫きます。

東京會舘に行ったことはないけれど、東京會舘に広がるアットホームさと威厳をいつか感じてみたいと思わせる作品です。

若い方から年配の方まで是非に読んでほしいと思います。

キッチン/よしもとばなな

「キッチン」は中学生ぐらいの頃に読んで、それから三度ほど読んで、最近また読み直しましたが飽きません。

大作家の処女作にして大傑作だと思いますが、この小説の一番好きなところはよしもとばななの気負いが読み取れるところです。

お話はとてもシンプルで若い男女のラブストーリーで、小学生でも楽しめます。嫌みの無いストーリーが展開され、拒否感を持つ人は少ないだろうと思います。

「キッチン」を読み返すたびに新しい発見があります。

私はあまり本を読み返す事をしません。

しかしキッチンは例外で何度も読み返してきました。

の都度すごく怖い話だと思えたり、登場人物にアスリートみたいなものを感じたり、色々なことを考えました。

「キッチン」は多様な読み方を許す懐の深い小説で、絶対におすすめの作品です。

燃えよ剣/司馬 遼太郎

司馬遼太郎の代表作の1つで大河ドラマにも起用されたことがあります。

幕末の新選組の成り立ちから最後までをとても丁寧に描いている作品で、主人公の土方歳三がとても魅力的に描かれています。

時代劇が苦手な方でも非常に読みやすい文章になっており、殺陣のシーンの描写がまるで浮かんでくるかのように具体的に書かれています。

新選組の初期は芹沢鴨が主な勢力だったのが、内部抗争により近藤勇達の勢力に変わっていき、その後上洛してからの新選組の活躍と、徐々に倒幕の風潮による落ち目、最後の御稜郭の戦いまでを一気に読み進めることができます。

時代劇が苦手な方や司馬遼太郎を読んだことのない人にも、入門としてはオススメの小説です。

個人的な感想としては、まるで時代劇を少年漫画で読んでいるような高揚感を得ることができました。

愛の妖精/ジョルジュ サンド

女性にとって必要不可欠な本だと思います。

読み進めると卑屈で醜かった主人公の女の子がどんどん美しく優しい女性になっていく様子が面白いです。

他の人と比較しがち、ユニセックスの時代ですが、女性が女性らしく美しくなっていける小説だと思います。

先ほども申し上げましたが、最初は意地悪な主人公をずっと描いているので、少し重たく読み進めるのが大変かもしれません。

しかし、そこの描写があるからこそ、後半の面白さが際立ちます。

少しずつ自分の心にある愛の気持ちに対して素直になっていく主人公とその彼。

そしてそれを取り巻く人々の主人公を見る目も変わっていきます。

人の味方や愛とは何かを心の中でぽっと見出せる小説です。

読んでみる価値はあると思います。

虐殺器官/伊藤計劃

現代社会において我々が感じている感覚や、無知ゆえにまるで感じていない感覚の全てを、赤裸々に引きずり出して眼前に突き付けてくる作品です。

一人称視点故、主人公であるクラヴィスの心情がダイレクトに描写され、彼に対する読者自身の考えや、小説世界、ひいては現実世界に対する考えを、否応なく引き出されて揺さぶられる、ある種とても危険な作品となっています。

練りに練り込まれ、非現実的でありながら現実的にも感じられる設定も巧み。

様々な洋画などのパロディもちりばめられていて、知れば知るほど深みにはまる作品だと思います。

惜しむらくは、筆者である伊藤計劃氏が若くして夭折されてしまい、現在刊行されているもの以上の世界が見られなくなってしまったことでしょうか。

陽気なギャングが地球を回す/伊坂 幸太郎

超能力とまではいかないけれど、人より少し秀でた能力(嘘を見抜ける、演説の達人、天才的スリ、正確な体内時計)を持っているという四人組強盗団が主人公です。

泥棒の話ではありますが、彼らのセリフの言い回しや言葉選び、テンポ感が絶妙で、思わずクスリと笑えます。

日常パートはそのようにちょっと面白い会話が楽しめ、泥棒パートではほんの少しの緊張感が味わえます。

彼らは危機に陥っても、それぞれの能力で巧妙に乗り越えていくので、最後はきっと大団円を迎えるだろうという安心感もあります。

伊坂幸太郎の本はどれも面白いのですが、この本は銀行強盗を行う4人の人物を中心に描かれています。

しかもその4人の特殊能力が素晴らしいんです。

チームワークがすごいというかバランスが良くとれています。

雄弁家、スリが得意、他人が付いている嘘がわかる、時間を正確に把握することができる。

それぞれの能力を生かして行う銀行強盗。銀行強盗というと人を銃などで脅して時に負傷者も出すというイメージですが、この4人の銀行強盗はとてもスマートで楽しく、なんだか次の強盗はいつだろう?と読んでいるうちにワクワクします。

このシリーズはあと二冊でていますが、この地球を回すの本が一番読んでいて面白かったのと、スラスラ読めるのでオススメです。

続編に『陽気なギャングの日常と襲撃』『陽気なギャングは三つ数えろ』が出版されているので、この巻を読み終わってしまってさみしく思っても、すぐに続編で楽しめるというところもおすすめポイントの一つです。

占星術殺人事件/島田荘司

島田荘司の名探偵・御手洗潔シリーズ第一作にして、バラバラ死体を使った大胆なトリックを用いた衝撃作でもあります。

過去に起こった事件を扱うため、事件本編は手記を読む形となっており、事件の情報は読者にも公開されます。

つまり探偵と読者に与えられる条件は同じとなっています。

自分でも推理しながら犯人当てもできる作品だとは思うのですが、トリックを解明するために探偵と同じようにひらめけるかがポイントです。

このトリックは金田一少年の事件簿にも流用されるなど、のちの推理小説作品に影響を与えています。

事件の推理も面白いのですが、キャラクターも魅力的で、探偵の御手洗と作家の石岡くんのコンビがシリーズを通して活躍する、ホームズ・ワトソン型のコンビです。

このキャラクターにはまって、キャラ読みできるのもおすすめポイントになります。

道化師の蝶/円城塔

芥川賞受賞作品ではありますが、題名のごとく飛ぶ蝶を追いかけるような気分で読み進むことのできる小説です。

実業家A・A・エイブラハムの成功の秘密、謎の作家友幸友幸の奇妙な生活という突飛な筋書きを元に飛躍する物語とも言えるような言えないような、あるいは偽の伝記を読んでいるような雰囲気の小説です。

どちらかといえばファンタジー小説に近いかもしれません。

「着想を捉える網」「架空の蝶を捕まえる」など不思議な言葉が満載で、暗喩だと仮定して読み進めることも非常に面白いです。

どちらにせよ、読んでいる最中は意味がわからないかもしれません。

しかし、奇妙な読後感は癖になって何度も読み返したくなる作品です。

「道化師の蝶」という題名に違わない、不思議な作品です。

ピアニシモ/辻仁成

とても薄い文庫本だったので、夏休みの読書感想文を書くために読むにはぴったりだと手に取って読んで見て、主人公は同世代の子なのに私が感じたことのない物の見方や感じ方に衝撃を受けました。

特に、イマジナリーフレンドの存在に衝撃を受けました。

親御さんであれば統合失調症の心配をしそうなものですが、主人公の両親は仕事が忙しく子供に関心がありません。

主人公も同世代の子供に興味がなく、社会のひずみを見つけてはイマジナリーフレンドと語り合う私からみると初めて触れるとても異様な世界でした。

とても薄い本の中に子供時代の限られた特別な過渡期が凝縮して書かれています。

時代背景は30年くらい前になっていますが、思春期の子供とその親御さんに、人の成長過程の一部を疑似的に体験できるのでおすすめです。

ソフィーの世界/ヨースタイン・ ゴルデル

普段は難しそうで触れることの少ない哲学を軸にしたファンタジー小説。

哲学の教師が書いたこの小説は、長編ではありますが、10代でも読みやすいように書かれていて、大人の読み手をも引き込む不思議な力を持っています。

主人公である14歳の少女ソフィーに届いた奇妙な手紙と、それをきっかけに次々起こるおかしな出来事や違和感を1つずつ拾い上げて、哲学をヒントに進んでいくストーリーには、誰もが聞いたことのある哲学者の名前や言葉や思想が多く登場します。

まるで自分が生徒となって、哲学の授業をソフィーと一緒に受けているような感覚で、地図を繋げていくように哲学者とストーリーを集めていく展開は飽きることがありません。

1度読み、頭の中を整理してから読み直してみるのもおすすめです。

蜜蜂と遠雷/恩田陸

元々、作者の恩田陸さんのファンなので、少し贔屓目かもしれませんが、これが今のところ一番の傑作だと思っています。

直木賞を受賞する前に読んだので、これで直木賞が取れなきゃ一生取れないぞ!と思ったほど、読了後に感動しました。

舞台はピアノコンクール。様々な事情を抱えたピアニスト達が、コンテスタントとして集まります。

その彼らの事情、事情を背景にした演奏、その描写が本当に素晴らしいのです。

音を、音楽を文字にするというのはとても難しいことだと思うのですが、読んでいるだけでどんな演奏か、まるで聴こえてくるようです。

また、コンテスタントだけでなく、審査員側の話も入っていて、読んでいて飽きません。

コンクールが進むにつれて、コンテスタント達の関係も深まっていき、あっという間にクライマックスを迎えます。

ピアノが好きな方、好きでない方にもぜひ読んでほしい作品です。

任侠病院/今野 敏

この小説は、男性には勿論のこと、熱いかんじの、人情ドラマなどが好きな方にはピッタリな小説だと思います。

あらすじは…ある1つのヤクザ阿岐元組というヤクザがあり、そのヤクザは少し変わっています。

普通ヤクザともなれば、犯罪を犯しながら収入を得るというものがヤクザですが、このヤクザは少し違い、ヤクザが本当の悪を倒すという話なんです。

ヤクザがボロボロになった病院を再建させる、その病院がなぜこのようにボロボロになってしまったのか、そしてその病院の裏にかかっている、悪質なヤクザをみつけ倒しにいく。というのがメインのストーリー。

次のような役者がでてきます。

・一番のリーダー阿岐元‥いつも色々な組から情報持ち込み、その情報でいかにも潰れそうな、会社や病院の再建に取り組んでいる。

・2番目は日村‥阿岐元の代貸をつとめており、昔はグレていたところを阿岐元に拾われ、今は阿岐元の役に立ちたいと思っている。

・3番目は二之宮稔という元は暴走族で昔は手が付けられないほどだが、今は日村達のいうことを聞き役に立っている。

この他にも、イケメンだけど、昔は不良、家で引きこもりの生活でハッカーでもあった奴など色々な登場人物がでてきて、病院の再建に取り組んでいく。

「ヤクザと任侠は違う、任侠は今日も悪の中の悪を倒す!」という、人情あふれた面白いストーリーです。

もちろんホラーなんてことはないので女性にでも読みやすいですよ。

双頭の鷲/佐藤 賢一

主人公はベルトラン・デュ・ゲクランという英仏百年戦争におけるフランスの英雄で、実在する人物です。

母からも愛されなかった自身の醜い容姿に強いコンプレックスを抱きながらも、天性の軍才を武器に逞しく戦乱の時代を生き抜きます。

破天荒で下品な言動も、すべてコンプレックスからくるものだということが読み進めていくうちに分かってくるので主人公を愛おしく思えます。

英仏百年戦争を、フランス側からの視点、イングランド側からの視点両方で描いているので、日本ではあまり馴染みのない英仏百年戦争について深く知ることもできます。

そのほかの登場人物も全員が魅力的なので、上下巻に分かれた長編の小説ですが一気読みしたくなるほど面白い作品です。

短篇五芒星/舞城王太郎

収録作五篇がすべて芥川賞ノミネートなのは文学史上初のこの本です。

ノミネートされているだけあって全作品ハズレがなく面白いです。

独特のドライブ感がある作家さんなので、純文学初心者のひとも一気に読むことができると思います。

ストーリーも奇妙キテレツで飽きがきません。饒舌体の文章は難しくなく、読みやすいです。

読みやすいのですが、語ってある内容は深いです。奇妙な筋立てですが、勢いある語り口でグイグイと引き込まれます。

具体的には「女性の流産について強迫的に考えてしまう男」「姉が鮎の家にお嫁さんにいく」「四点リレー怪談の本当のところ」「筋肉ムキムキの友人をバーベル上げする話」「妖怪が入っている箱」の五話です。

講談社は舞城王太郎を推しているので、フォントなども全話違っていて凝ったつくりになっています。

舞城王太郎入門編にもおすすめです。

DRY/原田ひ香

現在の介護問題に警鐘を鳴らす、サスペンス小説です。

残虐なシーンもありますが、著者の原田ひ香さんが現実で起きた事件を基にして書かれており、これが社会で起きている在宅介護の現実なのか、と背筋が凍ります。

また、生活保護や介護離職、離婚問題等も折り込まれかなりリアルです。

女性は特に共感出来るかな、と思います。

話の内容は離婚した主人公の女性が親権を取られ折り合いの悪い母達の住む実家に戻り、祖父を介護中の幼馴染の女性と再会する所から始まります。

そこから一気に読者を闇に引きずり込んでいきます。

幼馴染は結婚も仕事もせず主人公に劣等感を持っていました。

そして彼女は人には決して話せない秘密を持っていました。

主人公にはやがて恐ろしい運命が待ち構えるのでした。

友情と嫉妬のバランスが取れず、やがて恐ろしい事件が起きます。

私は小説を毎日少しずつ読むのですが、これは展開がハラハラして一気に読んでしまいました。

ラスト、完全な悪女になれない女の姿が哀れでした。

それはどちらの女性か、あなたが読んで確かめてみて下さい。

西の魔女が死んだ/梨木香歩

主人公の女子中学生は中学進学後すぐ不登校になり、しばらくイギリス出身で日本で一人暮らしをしている祖母の家で暮らすことになります。

祖母との暮らしの中で自分のルーツと個性を見つめる時間、規則正しい生活習慣を得て主人公は心の安定を見出そうとします。

「自分の居場所が見つからない」、「自分の個性を受け入れることが難しい」など、感受性の強い方におすすめの1冊です。

主人公の目線を通してイギリス人が持つ自然との距離感や伝統的な暮らしの一部を感じ、人も自然の一部であることを無理なく感じられるシーンがあります。

またタイトルから連想するファンタジー性はなく、魔女の役割が実は人の心と体を調整する知識を持った人のことも指す側面も垣間見ることができます。

最近生活が乱れているな、ゆっくり丁寧に生きたいなと思っている方が読むと、あっという間に読んでしまえるおすすめの小説です。

2008年に映画化もされているので、活字を読む時間がない方はDVDのレンタルやストリーミング動画で鑑賞して小説の世界観を楽しむこともできますよ。

儚い羊たちの祝宴/米澤 穂信

「氷菓」や「インシテミル」といった作品で知られる米澤穂信の小説です。

本作はミステリーで短編集が集められ、その共通項として「文学サークルバベルの会」があります。

登場人物はそれぞれこのサークルに属しているメンバーです。

どの短編も最後の一文にどんでん返し、また真実が暗喩される形で提示されており推理する面白さがあります。

ゴシックな世界観であり米澤穂信のミステリーに関する造詣の深さを感じさせる極上の一冊です。

使われているトリックや小物に古典ミステリのものが使われており、ミステリファンとしても深く楽しめる作品といえます。

また初心者でも読みやすく、耽美な世界観を楽しむことができました。

文学的要素も強く、出てくる女の子も可愛かったです。

愛なき世界/三浦 しをん

タイトルだけ聞くと、ミステリーやサスペンス、ホラーのように感じますが、実は恋愛小説です。

しかも悲恋や不倫の類ではなく、主人公はちゃんと純愛しています。

主人公である藤丸陽太は、東京の国立T大近くにある洋食屋「円服亭」に住み込み店員として働いています。

場所柄、円服亭にはT大の学生や職員が食事に来ることが多く、恋の相手もお店の常連でした。

恋の相手である本村紗英はT大大学院の植物学に関する研究室に所属しています。

お店では店員と客という関係でしたが、円服亭がデリバリーをはじめ、初めて注文したのが本村が所属する研究室であったことから、藤丸と本村、研究室メンバーとの交流が始まります。

本村から植物に関する様々な話を聞き、興味を深めるうちに惹かれていくが、本村は植物を愛するあまり、対人間の恋愛に興味がない・・藤丸の恋はいかに!?という話です。

コメディ要素もあり、さくさく読めます。

大学院生の会話なので、実験のことなど多少難しい内容もありますが、藤丸も理解していません。

それでも真剣に根気強くわかりやすく説明しようとする本村の優しさや、自分の好きなことに興味を持ってくれることの嬉しさが表れていてほっこりします。

藤丸は失恋してしまうのか、一発逆転できるのか、最後まで楽しみながら読めるはずです。

ライ麦畑でつかまえて/J・D サリンジャー

主人公は何度も学校を追い出される10代の男の子で、タバコを吸い、若白髪で年齢不詳な見た目を嬉々として語り、大人のふりをして酒場に行きたがっていることが語られ始めます。

自分の奥底から湧き上がる意識や思い描く世界と大人が作った実際の社会との差に苦しんでいる様子が伺え、進学を控え新しい世界に踏み出す当時の私自身も、このような悩みを抱えることもあるのだろうかと考えさせられました。

常に主人公が一人で語っている内容が続くので、語り部の客観性がなく、読みにくさもあるのですが、だからこそ主人公が抱えた言いようのない不安や周囲との差異に苦悩している様子が印象に残ります。

後半に差し掛かると、主人公の心の底にあるささやかな望みと妹への愛情だけがブレることなく表現され、この本を読み進んでいて初めて安心を感じ取ることができます。

この本で主人公を愛して心から心配する人物の存在も救いだと感じました。

うまく周囲の人間関係や社会に馴染めず、誰にも相談できないと感じている方に一度は読んでみることをおすすめしたい作品です。

姑獲鳥の夏/京極 夏彦

タイトルから難しくてとっつきにくい印象ですが、読み始めると止まらなくなります。

妊娠期間を大きく過ぎてもまだ子供が産まれない妊婦の謎から昔馴染みの失踪事件がつながり、そこから産院での赤ん坊が連続不審死が浮かび上がります。

最後に失踪していた昔馴染みが、妊婦の腹から出てきたような状況になるという全ての謎が1つに繋がっていく様子は圧巻です。

内容はグロテスクな部分もあるのに、情景描写が綺麗で情緒があってとても雰囲気が美しいなと感じます。

出てくる登場人物も個性的で面白く、蘊蓄を並べ立てる古本屋兼神主や、鬱気質の小説家、躁状態の型破りな探偵など集まると話の疾走感がすごいです。

何度読み返しても新たな発見があったり、描写が綺麗だなと感じたり飽きないのでおすすめです。

嫌われ松子の一生/山田宗樹

壮絶な転落人生が語られていますが、どんなに身を落としていっても心だけはきれいなままで困難にぶち当たっても努力を怠らず人を献身的に愛する主人公の女性が見えてくる作品です。

作品では、殺害された主人公が最後に過ごしたアパートで遺品を片づけることになった大学生の甥っ子が、それまで存在すらしらなかった伯母の人生に興味を持って調べていくことで物語が展開します。

伯母の生き様を知るうちに伯母が住んでいたアパートから近い東京の荒川の風景が故郷の川とよく似ていることに気付き、伯母の見た景色や感情を甥っ子は自らの体験のように感じはじめるところが印象的です。

一緒に過ごさなくても家族はどこかで同じものを共有して繋がっていることが感じられます。

最近家族と疎遠になってしまっている人におすすめしたい一冊です。

新釈 走れメロス/森見登美彦

コメディータッチの走れメロス。

いわゆる走れメロスを想定して読むとびっくりするところがおすすめです。

舞台も日本、京都に変わっています。京都の町にゆかりがある人も、途中で町の描写が色々とあるので楽しめます。

走れメロスは実はテキトーな人だったのではないか?という仮定に基づいて本編を振り返りながら読むと楽しめます。

また、もうひとつ、この本は高校生にもおすすめです。

この本を読むと京都大学に進学したくなります。

(一部で最もぶっ飛んだ旧帝大と言われる)京大は本当にこんなむちゃくちゃな大学なのか、そして本当にこんなに自由なのか、などなど、京都大学が急に身近なものに感じられるはずです。

もちろん簡単に入学できる大学ではないのですが、挑戦したくなる気持ちが沸いてきて成績もアップしそうな気がします。

迷走地図/松本清張

1983年に発表された松本清張氏の小説です。

政界が舞台の、政治家同士の権力争いや業者との癒着に関して書かれています。

そんな醜い争いの中で、大物政治家の妻と秘書が、道ならぬ恋に落ちる様子も絡ませて描いており、その関係の展開がいかに政界に影響を及ぼしていくのか、読み進めていくうちに読者の心をどんどん引き込んでいきます

のちに映画化され、またテレビドラマにもなりましたが、映画の方は松本氏の思惑とは全く違う方向の仕上がりとなったため、「メディア化は許さない」と松本氏が激怒。

40年近く経った現在でも、その存在は幻と言われています。松本氏が考えていた政治家の葛藤や悲哀などにはあまり固着せず、まるでワイドショーのような視点で作られたことが、松本氏の反感を買ったと言われています。

小説と映画の内容の齟齬が一体どこにあるのかは、今はもう知る由もありませんが、原作となった小説は現在もなお古臭さを感じさせません。

シャリアンの魔炎/ゆうきりん

コバルト文庫ですが宗教や政治が絡んだリアリティ溢れるストーリーです。

シャリアン聖国という架空の国があり、彼らが蛮族と見下す国もある。

中世ヨーロッパの再現ファンタジーといったところでしょうか。

一神教を絶対視するあまり他を認めず、排他的になっているのも似ています。

そして貴族間で起こる腐敗した闇も。

この作品では下級貴族のリリーベルから見た国、異国、政治、宗教、貴族といったファクターを俯瞰できます。

コバルトなだけに恋愛も含むのですが、最初から最後までリアルかつ過酷で、だからこそ架空世界などとバカにできず読み込んでしまいます。

かつて実在した十字軍遠征の清濁を描く小説版として読んでみて下さい。

宗教が関連すると、近代の戦争より悲劇を生むと思わされます。

神様からひと言/荻原 浩

仕事に疲弊している人におすすめしたい小説です。

クレーム処理の部署で起こる様々な問題を、悩みながら解決して成長していくお話です。

日本のよくある会社の姿がリアルに描かれており、理不尽な異動、パワハラ上司、同期との飲み会での愚痴、など些細なところに「あるある!」共感を覚えます。

クレーム処理の仕方も大変参考になります。

ただし堅苦しい小説ではなく、コミカルに描かれているため、クスッと笑える場面もたくさんあります。

私は主人公が頼りにしている上司のキャラクターが好きでたくさん笑わせてもらいました。

仕事で疲れている人が読むと、自分と重ね合わせて、「自分も頑張ろう」と思たり、あるいは「そこまで頑張らず気を張らず行こう」と思えるかもしれません。

十二国記 月の影 影の海/小野 不由美

最初にこの小説を知ったのは、中2の時でした。

読み始めた時は、怖い!という印象でした。

その時は、その印象からか読まなくなったのですが、高1の時に国語の授業で出てきて、気になりもう一度読み始めました。

そしたら、読み進めるのが楽しくて、シリーズを全部読んでしまいました。

この、月の影 影の海は1番最初の物語で、主人公の陽子と慶国という異世界から迎えに来たという景麒との出会いから始まります。

景麒は、陽子を主と呼び慶国へ連れていきます。

そこで、陽子は景麒とはぐれてしまうのですが、その陽子の成長ぶりがすごいです!

信用や裏切りなど人との関わりで必要不可欠な事を学ぶことが出来た作品です。

ラストまで読まないと結末も分からないので、ラストを読む頃には十二国記の世界に入り込めると思います。

あきない世傳金と銀シリーズ/高田郁

高田郁さんの小説シリーズ本です。

現在7巻まで発売されていて、源流編、早瀬編、奔流編、貫流編、転流編、本流編、碧流編があります。

主人公の幸という女性の少女時代から話はスタートしていて、現時点で30過ぎまでの激動の人生を描いています。

「呉服屋の商い」をテーマに描いた作品となっていて、着物や帯に使われている原材料や大坂(作中ではこちらの漢字です)や東京での寄合や商売、帯留めの違いなどをとても詳しく、分かりやすく書いてくれています。

作を追うごとに人との出会いや別れを繰り返すため、目まぐるしく話が動いていきます。

大坂、東京の暮らしぶり、言葉の訛りの違いも使い分けているので、繊細な作品だと思います。

同じ作者の「みをつくし料理帖」も読んでみたいです。

ありえないほどうるさいオルゴール店/瀧羽 麻子

とあるオルゴール店の店主がお店にやってくる様々なお客さんに、その特殊な耳を活かして、その人のためのオリジナルオルゴールを作るというお話です。

とても優しいお話です。

お店にやってくるお客さんは色んな事情を抱えてお店に来ます。

その人達の心に流れている音楽を聴きとってオルゴールを作ってくれるというのですが、お客さんは半信半疑、出来上がるまでどんなものなのか考えもつきません。

自分だったらどんなオルゴールになるんだろう、どんな曲が流れているんだろうと考えてわくわくするとともに、少し恥ずかしくなったりするかもしれません。

出来上がったものを受け取り、聴いたときの反応はもちろん様々で、感動だけでなく、驚きや戸惑いもあります。

いくつかの小さな話が優しい文体で綴られ、オルゴールの音を聴きながら読みたくなるです。

その日、朱音が空を飛んだ/武田 綾乃

一人の女子高生が学校の屋上から飛び降りるところから始まります。

少女は自殺なのか、殺されたのか、いじめはあったのか、少女を取り巻く環境、人間関係には何があったのか、同級生の視点から語られます。

青春小説とも、ミステリーとも言えます。

読了感は後味が悪くイヤミスとも言えます。

スクールカースト、マウンティングなど人間臭いところや、現代ならではのSNSへの反応、高校生の持つ独特な暗さが描かれています。

今の高校生ってこんなに生きにくいのかなと感じましたが、よく考えてみれば当たり前の感情ばかりです。

大人の世界と何も変わらない、むしろ学校、教室というとてつもなく狭い世界の中での自分の立ち位置は大人の世界よりも確保しがたく、生きにくいのは間違いないのかもしれません。

高校生にも、高校生の子供を持つ親世代の方にも読んでいただきたいです。

13階段/高野和明

高野和明さんが執筆された小説で、江戸川乱歩賞もとった作品です。

私自身、宮部みゆきさんが好きなんですが、その宮部みゆきさんが文庫本解説をしていることから知った作品になります。

また、映像化もされてるので、小説が苦手な方にも入りやすい作品だと思います。

小説の内容自体は、「死刑」という重いテーマを扱っています。

死刑がどういう風に実行されていくのか、執行人の心情がとても具体的に書かれています。

刑務官の南郷と、前科のある青年の三上が、犯行の記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすべく動き出すことから事件が始まります。

この作品のすごいところは、最後になるに連れて多数の伏線が綺麗に回収されていくところです。

伏線を回収していく上で、「まさか…これも…」と驚きの連続で、ラストになるに連れて一気読みしてしまいます。

ダイナー/平山 夢明

この小説は、最初に実写映画を見て好きになったのですが、もっと詳しく知りたいと思い、そのあとで小説を読みました。

オオバカナコという女の子が携帯の闇サイトのバイトに手を出したことがきっかけで、殺し屋専門の会員制の定食屋で働くことになってしまいます。

そこは、殺し屋が束の間の憩いを求めて集う食堂でした。

殺し屋にも色々な人がいて、人を殺してしまったという事実があるのになぜだか共感できるところがあって、面白いです。

殺し屋の気持ちになって考えたり、オオバカナコの気持ちになって考えたりしながら読んでいくと、夢中になって読んでしまうのであっという間に読めてしまいます。

食堂で出会う殺し屋がかっこよく見えたり、最初は嫌いだと思った人でもなんだか可愛く思えてしまったりもして、とても楽しいです。

出口のない海/横山 秀夫

太平洋戦争で回天特攻隊として国の為に命を賭けた主人公を中心とする話です。

同じように特攻隊として所属する仲間たちとのやりとりや、愛する人や家族の為に意味があるかもわからないまま命をかける現代の平和な時代からはとても考えられないような苦悩、葛藤が書かれてります。

命の大切さや自分は何の為に生きるのか、本当に大切なものは何なのかと考えさせられる作品であると感じました。

また、物語の素晴らしさはもちろんですが文章がとても読みやすく、小説でありながら映像が頭に浮かんでくるような感覚で読めます。

1度読んだ後、2度目3度目と読むたびに自分の感じ方も変わってくるのも非常に面白く、自信を持って勧めれる素晴らしい作品です。

スレイヤーズ/神坂一

この作品は、小説神坂一・イラストあらいずみるい先生が手掛けたかなり古いファンタジー作品なんですがおそらくライトノベルの頂点ですね。

昔から文庫が発売される度に品切れ続出・・・。

わたしの学生時代近くの本屋で新刊手に入れるのにお取り寄せで2か月かかったことも。

関連する雑誌も発売日の夕方に本屋行ってるのに「売り切れです」と言われ何件梯子した事か。

内容は、自称美少女天才魔導士リナ=インバースが周りに迷惑をかえりみず、あちこちで騒動を起こす内容ですが、そこにボケと突っ込みを入れ込んだ、わたしからしたら「ファンタジー版吉本新喜劇」ですね。

趣味は盗賊倒して盗賊の持ち物全部奪い取る事。

そして彼女の周りには個性の強いキャラが沢山登場。

小説長編17巻が10/19日に発売するので楽しみです。

さいごに

いかがでしたか?

小説を読むと、内面まで豊かになってきます。

ぜひ今回紹介した小説で気になるものがあれば読んでみてくださいね。

他にもあなたのおすすめ小説があれば、コメント欄で教えてください!!(^ ^)

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