"バッドエンド"な結末の映画をお探しですね。
バッドエンドの映画を見てしまった後には、何もする気分が起きないほど後味が悪いものです。
それでも「バッドエンド」の映画には何とも言えない深みがあり、考えさせられるでしょう。
そこで今回は、映画を年間100本以上見る映画マニアが、あなたにおすすめしたい後味が悪い"バッドエンドな結末の映画を50作品紹介します。
ぜひ、参考にして"バッドエンド"を味わってみてください。
ただし、見終わった後に何も手に付かなくなるかもしれないので、心して見るように…
後味が悪い"バッドエンド"な結末の映画【洋画】
ミスト
オカルトマニアが集まるネットのスレッドなどで、後味が悪い話の話題が出ると真っ先に書き込まれるのがこの「ミスト」という映画です。
ラストがとにかく衝撃的で救いようがありません。
その衝撃かつ驚愕のラストが、バッドエンド映画の中でも一番と言われるゆえんでしょう。
ある日突然町中が謎の濃霧に覆われ、その中に潜む怪物たちに次々と人々が襲われていく、というSF色の濃い場面から始まります。
SF映画ではありますが、極限状態に追い込まれた、恐怖に襲われた人間の様子を実にリアルに描いた作品だと思います。
何の予備知識なしに観るとモンスターパニックもののサバイバル系エンタメ映画かと思うので、そのテンションで普通に視聴していくと、最後のオチで奈落の底突きに落とされたような絶望感に襲われますよ。
主人公の気持ちを考えるととても辛く苦しく、怒りとも違ったなんとも言えない感情で埋め尽くされて、観終わってからは放心状態が続きます。
主人公の最後の叫びに、二度目の鑑賞は遠慮したくなるほど、後味の悪さは最高の作品です。
寝る前などに観ると、ラストの衝撃が頭にこびりついて眠れなくなるので注意が必要ですが、是非この感情を味わっていただきたいと思います。
原作者すらドン引きする伝説のバッドエンドでしょう。
セブン
ブラッド・ピットとモーガン・フリーマン主演の事件サスペンスで、「七つの大罪」がモチーフになっている作品です。
人の欲を一つ一つ「殺人」という表現で見せていく殺人鬼に二人の刑事が挑むのですが、最後のどんでん返しと後味の悪い結末には驚きます。
映画全体を通して、ずっと暗い雰囲気が漂っています。
冷たい雨が降る映像、重苦しい音楽が見る者を映画の中に引き込んでいきます。
大食、憤怒、強欲、嫉妬、怠惰、肉欲、高慢をなぞった連続殺人事件を自分が追っているような感覚になっていくはずです。
無表情で計算高い殺人犯を演じるケビン・スペイシーの演技が怖い。
そして衝撃のラストは自分の目で確かめてみてください。
犯人を追うつもりが、逆に犯人の思うように動かされていくことに気付かされるのです。
殺人現場で目にする死体は思わず背すじが凍ります。
犯人のサイコパス具合が最強で、主人公がどんどん惑わされていく、駆け引きも見どころです。
最後、犯人との心理戦によって、見てるこっちもどんどん気分が落ち込んでいきます。
そして、ラストの展開が本当に衝撃を受けるほど後味が悪い。
それでも、ちゃんと話がまとまっていて、しっかり考えられている内容なので、流石デヴィッド・フィンチャーだなという作品です。
後味が悪すぎるのに、何回も見てしまいます。
後味は悪いのですが、サスペンスが好きな方にはとてもおすすめしたい映画です。
ダンサー・イン・ザ・ダーク
2000年の第53回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを受賞するなど高く評価されている作品ですが、見た後は落ち込むこと間違いなしの鬱映画です。
ダンサーインザダークをおすすめする一番の理由は、主演のビョークの演技力とアーティスト性です。
ストーリーも、バッドエンディングではあるものの感情移入しやすいわかりやすいストーリーになっています。
しかし、この分かりやすいお話をビョークは演技とは思ない程生々しく演じ、圧倒的な歌唱力で観客を惹きつけていきます。
この映画の主人公のセルマは、病のため視力が失いつつあり、厳しい環境の中、自分の息子のために一生懸命働きます。
その息子ジーンも放っておくと、遺伝でそのうち自分と同じように視力を失ってしまうのを知っているセルマは一生懸命お金を貯めるのですが、ある日その必死になって貯めた手術代が盗まれてしまいます。
映画のラストまでは書きませんが、最期は悲しすぎます。
ですが、主人公のセルマが最期まで前向きな所や、身の回りに良い友人が居たり、厳しい状況ではあるけど一生懸命生きようとする所に胸が打たれました。
本編中に使われている音楽も良いです。
主人公の運命については理不尽とも言えるほど後味の悪いエンディングの映画ですが、それ以上にこの映画のオススメの点は音楽の良さです。
アイスランドの歌姫であるビョークが主演を勤め、暗い雰囲気の漂う作中において対極的な明るいミュージカル演出と迫力のある歌声がこの作品をただの悲劇性の強い映画ではなく、混沌とした芸術作品に昇華しているように思います。
それ故に作中に空気感の乱高下が激しく観るのに体力と気力が必要になり、結末についてもかなり好き嫌いが分かれるものでしょうが、それを踏まえて尚オススメできる映画です。
途中何度も涙無しでは見られない、号泣必須な映画だと思います。
そして衝撃的なバッドシーンで幕を下ろします。
最後は少しショックを受けるかもしれませんが、一つの映画を観きったという満足感を味わえるでしょう。
今、生きることに悩んでいる人に是非観てほしい作品です。
ミリオンダラー・ベイビー
私がおすすめするバッドエンド映画は「ミリオンダラーベイビー」です。
家庭に一度も愛情を注いでもらったことの無い主人公の女性マギー。
慎重さが生じて家庭にも全く愛情を注がなくなったボクシングジムのトレーナーであるフランキー。
この2人が出会い、やがてフランキーはマギーを一流のボクサーに成長させます。
数多くの試合に勝利しますが、終盤のビリーとの闘いで彼女は非情な最後を迎えるのです。
フランキーはマギーを家族以上の存在と思っていたので、どうしようも無い無力さと怒りを抱えます。
そんな彼にマギーが最後に下した頼みで、かなりバッドエンドな結末を迎える映画です。
私は、「女性版ロッキーをクリント・イーストウッド監督が作った!気持ちいい快作」と思って見に行ったら、「なんだこのラスト…」と心をえぐられました。
前半はまさにボクシング映画の王道。
イーストウッド演じる老ボクシングトレーナーと彼からボクシングの才能を見出された女性ボクサー、ヒラリー・スワンク演じるマギー。
愛情にも似た強い絆が描かれ、それを見守る、古くからの友人、モーガン・フリーマンと、ボクシング映画の定番のような筋書きです。
前半の成り上がっていく過程の心地よさは、さすがイーストウッドと思わせる面白さ。
しかし!脚本はポール・ハギス、自身で監督した社会派映画「クラッシュ」で、アカデミー作品賞を受賞したつわもの、ラストは簡単には終わらない。
前半とのギャップ、「こうくるか」、と映画館の中で震えました。
面白い映画が、後味はとても悪いです
ゴーン・ガール
夫が帰宅すると自宅に妻の姿はなく家は荒らされている…というところから始まるこの物語。
この後警察によって捜査が進められていくのですが。誰もが予想していなかった展開に背筋が凍ります。
夫が置かれている状況、失踪している妻の状況と失踪に至るまでの過程も描かれていますがサイコパス炸裂で最後の最後まで息つく暇がないほど。
サイコパスを描いた映画は多数ありますが、斬新な描き方でとても面白い映画です。
そしてなんといっても衝撃的なラストシーン。
失踪した妻は戻ってくるのです。
本来ならば夫は大喜びのはずですが、事実を知ってしまった彼にとってそれは果たして幸せなことなのか。
戻ってきた妻の最後のセリフまでもが、見る人に恐怖を与える作品です。
たいていの映画は予告編を見ないで視聴するのがベストでしょう。
なぜなら予告編を見れば映画の展開はだいたい分かってしまいますし、印象的なシーンも予告で一度見たことがあればそのインパクトは薄れてしまうからです。
近年は制作側もそれを理解し、予告編に本編では使用していないフェイクのシーンを盛り込んだりしています。
私は映画を人に薦めるとき、特にどんでん返しがあるようなものなら、なおさら前情報無しに映画を見ることを勧めます。
しかし、これからゴーン・ガールを見る人は是非予告編を見てから本編をみてほしい。
むしろ予告編をみて本編の展開を予想してからみるほうがこの映画をより楽しむことができるしょう。
おそらくその予想は見事に裏切られることになるでしょうが。
予告編に使われている映像はほとんど本編の前半部分のもの、しかしこの映画の面白い所は中盤のどんでん返しからクライマックスまでの怒涛の展開だといえます。
予告編すら利用した前半のミスリードの巧みさは本当に見事だと思います。
この映画は後味が悪い結末をたしかに迎えますが、構成や演出の巧みさがひかり、むしろ満足感すら私はこの映画を見て感じました。
監督は同じく後味の悪い映画として有名な「セブン」の監督であるデビッド・フィンチャーです。
ぜひ予告編を見てから本編を楽しんでください。
後味は悪いですが素晴らしい映画だと思います。
シャルロット・フォーエバー
シャルロット・ゲンズブール主演。
監督がその父親のセルジュ・ゲーンズブール。
テーマは近親相姦。映画の中でも親子を演じています。
セルジュ演じるダメ中年は。最初からろくでもないオヤジです。
実の娘にろくでもない感情を持っています。
娘は実の父親もあるので、完全に関係を断ち切ることは出来ません。
通常、こういった醜悪な人間関係はなかなか映画にすることはありません。
しかし敢えて他人が顔をしかめることをやってしまうのがセルジュ・ゲーンズブールなのです。
何一つ好感が持てることもなく映画は続き、ラストぐらいはましなことをやるだろうという期待は裏切られます。
シャルロットは映画の最後に、バッドエンドを選びます。
見たときは、ゴミための中に頭から突っ込んだような気分にって、しばらく動けませんでした。
ブラック・クランズマン
2018年度アカデミー脚色賞を受賞した作品です。
同年度アカデミー作品賞を受賞した『グリーンブック』がなぜ批判されているのか、黒人差別は何故ダメなのか、気になるひとには是非、見ていただきたいです。
アフリカ系アメリカ人、黒人の新米潜入捜査官と、ユダヤ系アメリカ人、白人の先輩潜入捜査官がバディを組んで、
白人至上主義団体「KKK」に潜入! 無謀な新米警官と慎重な先輩警官のコンビの活躍に惹かれるなら見て損はないと思います。
コメディタッチで笑えるシーンもたくさんあるし、正体がバレるんじゃないかとハラハラドキドキ、手に汗握って固唾を呑んでしまうような瞬間がたくさんある映画です。
しかし、その結末は、ガツン、と殴られるような衝撃的な映像で締めくくられます。
迫りくる現実にしばらく放心してしまうこと間違いなしです。
ミスティック・リバー
クリント・イーストウッド監督作品の中で、引きこまれるように面白くて、俳優陣も豪華で見ごたえがあるのに、二度と見たくない後味が悪い映画。
見た後、この不条理な展開に、むなしさを感じて、これが現実なのかな、これがアメリカなのかな、と思いながら、映画館を後にする後味の悪さ。
ただし、すごくいい映画です。
前半の被害者の父親、ショーン・ペンには、思いっきり感情移入できます。
その仲間ケヴィン・ベーコン、ティム・ロビンスというハリウッドきっての名優もまた、それぞれの役をみごとに演じ切っています。
なのに、暴力の連鎖、大人のいじめ、幼児誘拐など、いろいろな要素が絡んで、登場人物の一人が、どんどん狂ってきます。
イーストウッド監督作品の中で、出演作も含めて、もう一度見たいとは思わない映画。
後味が悪すぎて、あまり考えたくない映画です。
真実の行方
1996年に日本で公開された古い作品です。
監督はグレゴリー・ホブリット、作品内容は、大司教がなにもかに惨殺され、聖歌隊の19歳の青年アーロン役のエドワード・ノートンが容疑者として逮捕さます。
そこに凄腕弁護士マーティン・ベイル役のリチャード・ギアが世間の注目を集めながら、アーロンを無罪を勝ち取ってストーリーです。
アーロンが大司教を殺したのは間違いがないのですが、アーロンには殺害当時の記憶がないため、マーティン弁護士は精神分析を以来して、大司教が性的虐待をしている事実をつかむ。
そしてアーロンは死刑を免れることになるのです。
しかし最後にどんでん返しが待っています。
後味は悪いですが、この作品で映画デビューしたエドワード・ノートンは助演アカデミー賞にノミネートされるほどものすごい演技をしているので、この圧倒的演技力の高さがおすすめです。
ヴィレッジ
とある田舎町で文明社会から切り離され静かに暮らす人々は、周りをぐるりと取り囲む森に棲む謎の魔物に怯えながらもなんとか生活をしている。
それだけでもなかなか楽しめる設定なのですが、魔物は時々町に出てきては動物を殺したり家々を周り玄関のドアに謎の印を残したりしてきます。
盲目のヒロインがやむを得ぬ理由で森を抜け都会で薬を手に入れないといけなくなりますが、そこからが予想もしない展開になりとても面白いです。
ヒロイン達の住む町と町を囲む森のとんでもない秘密、森に棲む魔物の秘密が明らかになったとき、私は愕然としました。
シックス・センス
「そんな最後は嫌だ!」と叫びたくなった映画です。
映画を観たあとは悲し過ぎて、しばらく気持ちが落ち込んでしまうほど引きづりました。
単純に怖い映画が観たくて観に行った映画だったのですが、ストーリーが奥深く、心に染みるような展開になっていき、予想外に感情が入り込んでしまいます。
もちろん怖い映像も多く、ホラー映画として楽しめる要素が盛りだくさんなのですが、男性と子供が心を通わせていくにつれて、ふたりの物語として真剣になって観ていました。
主演の子供の表情が素晴らしくて、その目に惹きこまれてしまい、悲しみが倍増するようでしたね。
バッドエンドですが心に残る映画です。
グッド・シェパード
アメリカ中央情報局CIAの創設に全てを捧げた男を描いた重厚なスパイ映画。
派手なアクションシーンや美女との身を焦がすような恋は描かれてはいません。
家族と国家の間で揺れ動く男の苦悩が描かれている映画です。
誰も信じることができない。愛する者にさえ本当のことを話せない。
自分の家族となる者に下す非情な決断。
自殺した父から「決してウソをついてはいけない」と教えられたはずが、そのこととは反対の生き方をしている主人公の姿は見ているだけで苦しくなってきます。
ロシアのスパイと疑われた男の取調シーンがあり、主人公の部下が取り調べをするも、結局はスパイと疑われた男は…。
映画は全編を通して重苦しさが漂っていて、バッドエンドなので見終ってからも重苦しさが残ります。
チェンジリング
後味が悪いとはまさにこの事。
ラスト近くに明かされる事件の真相を写したシーンで徹底的に気持ちをえぐられ、気持ち悪くなるほど落ち込みました。
あの日、一日の留守の間に一体何が起こったのか。
当時の警察や病院の残酷さ、主人公の子供だと言い張る少年を殴りたくなる程憎たらしく思えます。
その少年も嘘をつき通してまですがりたい気持ちなんだと気づいた時のいたたまれなさ。
そして真実を知っているかもしれない男との最後の面会。
ほんの少しの希望と期待ならあるのに、誰も救われず結末がないラストに驚愕します。
特に子供がいる親は共感する場面や考えさせられるものが多い作品です。
ファイナル・デスティネーション
この映画は、飛行機事故での死亡を回避した人々が「死ぬ運命」から逃れることができず、次々と凄惨な死に方をしていく、というホラー映画です。
後味が悪く感じるのは、生き残ったかに思えた人が死ぬ直前、というところで映画が終わってしまうから。
凄惨な死に方を見せることがひとつのコンセプトとなっている映画なので、基本的にスプラッタが多く、苦手な人には絶対におすすめできません。
それが大丈夫であれば、「ここがこうなって、こうくるのか!」というような、頭を使って現象を解き明かす、サスペンスの要素があり、非常に面白い映画です。
登場人物たちがどのように自らにかかる死を予測し、どのように回避するのか、ハラハラドキドキしながら見ることができます。
・・・まぁ、基本的に死を回避することはできないのですが。
縞模様のパジャマの少年
第二次世界大戦中、父親の仕事の関係で引っ越してきた主人公の少年。
引っ越し先での退屈な日々の中出会った、縞模様のパジャマを着た奇妙な少年との物語、と書くと爽やかな友情物語が始まるかのように聞こえますよね?
でも主人公の父はユダヤ人収容所の所長、縞模様のパジャマとは収容所の人が着せられていた服だとしたら…。
主人公はユダヤ人収容所の近くに住みながら、両親からその存在について教えてもらうことはありませんでした。
お互いの身分を知らずに深めていく友情。
知らなかったからこそこの2人に起こってしまう悲劇、本当に胸が痛くなります。
最後のシーンを見ると…満員電車に乗れなくなるでしょう。
パラノーマル・アクティビティ
制作費が安いのに面白いと話題になったホラー映画です。
自宅に変なことが起こるためカメラを仕掛けたという設定で、ほとんどその家に暮らす男女しかうつりません。
それなのに彼らが気づかないところでチラチラと怪奇現象が写っているからリアルで怖いです。
後ろ後ろ!とか見てて突っ込んでしまいます。
「もしかしたら自分の家でも、自分の知らないうちに同じような怪奇現象が起こっているんじゃないだろうか」と思うくらいひっそりと何かが起こっていて、それがじわじわと増えていくのが本当に怖いです。
最後に女性が引きずられていくのは今までのじわじわとした怖さじゃなく、急にどんっとくる感じなのでそのギャップにはまります。
アメイジング・スパイダーマン2
映画『アメイジング・スパイダーマン2』は究極のバッドエンド映画だと思います。
この作品ではとにかく主役とヒロインのキスシーンが多くアクションにロマンスの要素を組み込んだ不思議なストーリーとなっています。
悪役のハリー(デイン・デハーン)やマックス(ジェイミー・フォックス)の圧倒的な演技にも注目です。
際立つ悪役の闘争本能や潜在的な恨みや闇に沈んでいく心情に対してスパイダーマンは頑なに正義を貫きます。
主役であるスパイダーマンとヒロインの愛は社会の闇を克服する度にその絆を深めます。
不思議なほど愛を表現するこのストーリーですが、最後の最後に観ている人の心を裏切る仕掛けがあります。
賛否両論あると思いますが、究極の正義が代償を払うものというのは「マーベルシリーズ」の代表的なテーマなのかも知れません。
アメリカン・スナイパー
ストーリーが進むにつれ、崩壊していく主人公の精神。
まるで自分が体験していることのように感じられ、どんどん不安になりながら迎えるラストは、後味が悪い!としか表現できません。
初めてどこにも救いがなく、一体何を見せられていたの…と愕然としました。
もう二度と見ないだろうと思っていたのですが、他の方のレビューを読むうちに、もう一度見返してみたい気持ちになり、数年ぶりに見てみましたが…やっぱり後味が悪い!
何度見ても、決して色褪せることのない後味の悪さは殿堂入りです。
お子さんをお持ちの方にはトラウマもの間違いなしです。
わたしを離さないで
幼いころから閉鎖された学校で暮らす子供たちが実は臓器移植のためだけに生かされていて、その事実を深く知ることも逃げることさえもしないよう教育されていました。
大きくなって外の世界で働くようになって「出番」が来れば病院に連れて行かれ、何度かに分けて臓器を抜かれて、弱っていきます。
死ぬだけの運命だけど、愛し合う男女が願えば解放されるという噂を聞いて、必死にお願いする主人公と彼。
でも、それは本当にただの噂でしかなかったのです。
たくさんの絶望の中、彼は最後の臓器を抜かれて死んでいきます。
そして主人公にも「出番」が来るシーンで終わります。
逃げることもせず受け入れる主人公の、悲しげな目が印象的でした。
ナイトクローラー
ナイトクローラー最大の見どころは、フリーランスのカメラマンとして働く主人公のルイスが仕事とお金の為に、狂気に犯されていく姿です。
より衝撃的な映像を求めて、ルイスは警察無線を盗聴し、道路交通法を無視するなど初めは軽犯罪を犯す程度でした。
しかし、だんだん被害者の家に不法侵入し、事実とは異なった脚色を施した映像を撮影するなど、手段を選ばなくなっていきます。
ルイスはアシスタントのリックとともに、高級住宅地で起った殺人事件の犯人を追跡。
犯人をのせた車が事故を起こし、容疑者の姿を撮影するよう命じられたリックは車を降り、カメラを構えて容疑者の下へ。
しかし犯人は生きて銃を構えていた。
リックは犯人に撃たれその場に倒れ込む。
息を引き取っていくリックの姿をカメラに収めるのはルイス。
法を犯しているのにルイスは警察に捕まることなく、止まらない彼の狂気に背筋が寒くなります。
レクイエム・フォー・ドリーム
2000年に公開された米映画で、ドラッグにより人生が崩壊していく人間達が描かれています。
孤独な老婆、無職の息子、差別に悩む親友、夢を持つ恋人の4人に焦点を当てたオムニバス形式ですが、それぞれの人物に相関図があり、関係に伴った苦悩があります。
その苦悩を望んだ形で克服できないまま、薬によって堕落していく様は惨い悲劇です。
誰もが彼、彼女らのようになる可能性があると感じさせます。
それほど、登場人物は平凡です。自分の日常や過去に似通ったイメージをどこかで抱かせてくれるので、この悲劇には説得力があります。
ラストの寝転がった姿に彼らの結末が集約されています。
それはきっと観る人の神経を揺さぶり、現実のとある側面を見せてくれるでしょう。
パンズ・ラビリンス
スペイン内戦下の空想好きな女の子が主人公のダークファンタジー映画です。
現実が辛い状況になるのと比例して、ヒロインの想像の世界も暗くて恐ろしいものになっていきますが、衣装や映像がとても幻想的で、アカデミー賞でも美術賞など3部門を受賞しています。
残忍な性格の義理の父親、独裁政権を指揮するヴィダル大尉はヒロインを疎んじています。
現実では母の死など辛いことが続き、最後はヒロインがヴィダル大尉に撃ち殺されてしまいます。
しかし、綺麗な心を貫き通したことでヒロインはファンタジーの世界では「地底の国の王女」とようやく認められ、優しい両親に迎えられます。
バッドエンドだけどハッピーエンドという不思議な作品です!
リービング・ラスベガス
ニコラスケイジとエリザベスシューの二人の寂しげな演技が魅力。
特にエリザベスシューは明るくかわいい役が多かったので、イメージチェンジを上手く果たせたと思います。
またこの映画でラスベガスの光と影を見ることができるでしょう。
ラスベガスといえばキラキラしたお金をたくさん持った人が集まる場所。
でもこの二人にはそんなの縁が無い。
もう先の無い二人の間には無償の愛しかありません。
とっても悲しい結末にもイロイロ考えさせられることが多いです。
後味悪いながらも、人間のだらしなさとかどうしようもない気持ちとかを学ぶことが出来ます。
私にとっては好きな映画の一つです。
モンパルナスの灯
これは35歳で亡くなったフランスの画家、モディリアーニの生涯を描いた映画でモノクロ映画です。
当時のパリの華やかな一面の描写が素晴らしく、しかしそれとはうらはらに、結核を患い、しかも酒とドラッグに溺れる若いモディリアーニ。
そんなどうしようもない彼と彼の才能を信じて支える妻の壊れそうな生活が繊細に描かれています。
今でもその情景が目に浮かぶようです。
しかし、どうにか成功したいとのモディリアーニの願いの陰で、悪魔の様な、現代でこんな人間が実在したら犯罪だろう、と思うような卑劣な画商の目に彼の絵が留まってしまい、結果的にありえない様な最悪の結末をむかえます。
当時の私の印象は「へっ、まさか、これで終わりじゃあないよね??」と身を乗り出しましたが、無情にも画面には"Fin"の言葉が流れるのでした。
時計じかけのオレンジ
一言で言うなら、「自業自得」や「因果応報」という言葉がぴったりな映画です。
毎日のように暴力や強姦に明け暮れる不良グループの首領アレックスが、仲間に裏切られ、投獄されたあげく、政府のある洗脳の実験台にされてしまう、というお話です。
アレックスの傲慢さや非人道的な行動にはかなり気味悪いですが、風変わりな登場人物やファッション、建物には不思議な魅力を感じました。
また、アレックスが作家の家で「雨に唄えば」を歌いながらのシーンはリピートしたくなるほどクセになります。
「死」よりも恐ろしいラストはトラウマになります。
宇宙人王(ワン)さんとの遭遇
レンタルショップでオススメB級映画の棚に陳列されており、映画のタイトルとパッケージの感じからは泣けそう!真面目!というよりかは、もはやふざけてる!面白そう!と思いました。
ベネチア国際映画祭で創造産業賞なるものを受賞!とお墨付きまで書いてあります。
興味が先立ちレンタルしていざ鑑賞してみると…パッケージから受けたふざけた感じからの始まりではない。
バックミュージックもなく密室での会話シーンがひたすら続いていき、ここからどう盛り上がって行くのか?!の期待すら感じてしまいます。
はてさてこの先どう面白くなる?!密室シーンはまだ続く。
若干忍耐力も必要とされてくる…退屈すら感じ始め苛立ちさえ覚えるモヤモヤ感。
ようやく新たな展開が?!…え?!何これ?ここで終わるーッ??!という、こんなにもスッキリしない気分の悪いモヤモヤだけが残る、今までの時間を返せーッ!!!と叫びたくなる映画を見たことがない。
12モンキーズ
バッドエンドの映画でもっとも有名なのはなにかと考えていたら、真っ先に思いついたのは、「12モンキーズ」でした。
1995年の映画ですから、そろそろ知らない世代も多くなっていることでしょう。
なんとモンティ・パイソンのテリー・ギリアムが監督だったのですね。ブルース・ウィリスとブラッド・ピットのダブル主演でバッドエンドですよ!
この組み合わせだけでも信じられないのに、さらに後味の悪い映画として印象に残っています。
主人公たちが一生懸命駆けまわって、ウイルステロを阻止しようとするが、それがかなわずに終わるという映画。
ファニーゲーム
バッドエンドというより、存在自体がバッドな作品。
白T白手袋白短パンの二人組が幸せな一家に悪虐の限りを尽くすトラウマ必至の鬼畜サスペンスで、鬼才ミヒャエル・ハネケ監督の代表作の一つ。
なんでもハリウッドなどで快楽的に描かれる娯楽アクションの暴力に対して、徹底的なアンチテーゼを突きつけたいという非常にごもっともなテーマを持って描いているそう。
しかし既存の「お約束」をことごとく引っくり返して嘲笑う、サディスティックな演出には何度も呆然とする。
特に後半戦はいろんな意味で凄いので覚悟してご覧いただきたい。
ちなみに舞台をアメリカに移したセルフ・リメイク版も後に世に出るが、個人的には犯人役のひとりを演じたアルノ・フリッシュが素晴らしいので97年のオーストラリア版を強く推します。
ボーイズ・ドントクライ
主人公の気持ちを考えると、いたたまれない気持ちになります。
新しい街で互いに心を通わせた女性がいたことだけが救いですが、自分たちが受け入れられないアイデンティティを持つ彼女を、一番彼女が辛い方法で辱める周囲の男性たちには嫌悪感しか感じません。
同じ女性の体を持つものとして感じる痛み、そして自分とは違うアイデンティティを持った人の、そのアイデンティティが受け入れられない苦しみ、両方を感じて苦しくなります。
終わり方にも全く救いがなく、さらにこれが実話だというんだから、胸がぎゅっとしめつけられるでしょう。
映画を見たあと、無言で家まで帰った数少ない映画です。
マザー!
この映画は様々なジャンルがミックスされたような映画で、序盤はホラー映画のように始まって、そこからコメディになっていきます。
一軒家に住む夫婦の元に見知らぬ人間たちがどんどん訪ねてきて生活を破壊されるという悪夢的なコメディで、訪ねてくる人間たちの数がどんどん増えていき、しまいにはとんでもないことになります。
そこまでは笑って見ていられるのですが、最終的に行き着くところまで行き着いて映画史上においても最悪の出来事が起こります。
妊娠中の女性は見ない方がいいでしょう。
あまりグロ描写はない映画ですが、そこだけはかなり残酷で直接的に描写されます。
とは言えどそこも含めて面白い映画です。
プラトーン
ベトナム戦争の悲惨さを見事の再現した映画です。
戦争を体験したことがない世代が多くなっており、平和のあり方について疑問が残る昨今。
平和を維持するためには大切なこと、戦争を二度と起こさせないことの大切さは、カッコいい映画や迫力のある映画ではなく、現実をしっかりと描写した映画が大切になってくると思います。
この映画では、同じ国の人間関係が戦争によって悲惨な結果を生むことを、見事の表現しているところが見事。
また貧富の差やアメリカ社会が抱える問題も抽出されている部分があります。
見れば見るほど視点を変えて戦争のあり方を学ぶことが出来ます。
鑑定士と顔のない依頼人
鑑定士のバージルという男性は、潔癖症で今まで女性とも関係を持ったこともないのですが、クレアという女性が現れたことでバージルの人生は変わります。
クレアは自分の家にある家具や骨董品を鑑定したいと依頼してきたのですが、なかなか顔を見せることはありません。
クレアは実は人と会うのが怖くて。ずっと亡くなった両親と一緒に暮らしていた屋敷に閉じこもっているのです。
そんなバージルとクレアが顔を合わせることになるまでの経過やその後のバージルの初めて抱く恋心、バージルの周りを取り巻く人間関係、映像もきれいで飽きさせません。
この映画を最後まで観て…人間不信になってしまいそうです。
孤独な老人が潔癖症も克服し、初めての幸せを手に入れたところで、地獄へ突き落されます。
人間って怖いと思いました。
ミステリー好きな人には絶対におすすめの映画です。
アリー/スター誕生
結末はあまりに切なくて悲しくて、見るに耐えない辛さがあります。
でもアリーがスターダムを駆け上がっていくシンデレラストーリーは見ているこちらも心躍ったし、なによりジャックとの‘愛の物語‘が最高に素敵です。
二人の愛そのものと言ってもいいくらい素晴らしい曲「シャロウ」は、今でも曲を聴いただけで涙が出そうになるくらい、熱くて切なくて、胸が焦がれます。
レディガガの歌唱力、表現力は言うまでもなく最高なのですが、監督でもあるジャック役のブラッドリークーパーも本当に素晴らしく、音楽が本業かと思うくらい完璧なロックスターでした。
結末は望むようなハッピーエンドではないですが、それでも観てよかったなーと今でもたまに思い出しますし、観る価値があると思います。
ただのスター誕生物語ではなく、夢と愛、エンターテイメントの闇の狭間で翻弄されるジャックとアリーの物語です。
海底47m
美しい海が残酷な闇に代わり、楽しいはずのバカンスが死と隣り合わせの「戦場」に変わる。
その明暗の変わりようがゾクゾクします。
「サメ映画」というといわゆるB級映画を想像する方も多いかと思います。
しかし本作のサメはリアルで、本当の恐怖を表しているのです。
台風や地震が人間に制御不能で手も足も出ない「恐怖」であるのと同じで、主人公たちの置かれる状況も「恐怖」そのものなのです。
助かると思ったら更なる地獄に落とされもします。
ただただ地獄に落とされるよりも絶望するでしょう。
ぜひこの映画で「恐怖」を感じてみてください。
ランボー
ベトナム帰りのグリーンベレー(アメリカの特殊)が偶然、立ち寄った街で警官に不当な扱いを受けて彼の復讐が始まるというストーリー。
おすすめする理由は他のベトナム戦争映画と違い、PTSDと帰還した後に焦点を当てて戦争を批判しているのが素晴らしいと感じたからです。
PTSDになっている時点でバッドエンドですよね。
冒頭で、警官につかまり鉄格子を見たときにベトコンに閉じ込められたときのこと思い出したり、突きつけられたナイフで思い出したりとPTSDを如実に表現している場面があります。
悲惨な体験を夢で追体験しており、それに毎日苦しめられていると大佐に泣きながら訴えているシーンは他の映画にはないと思います。
こういう視点でのベトナム戦争映画は面白いです。
猿の惑星
地球の宇宙飛行士が他の惑星に落ちてしまったところから始まるという映画で、その惑星では猿が支配をしていたお話。
そこでは人間が猿から迫害を受けるシーンが延々と続いていきます。
散々、他のどこかの惑星の話しというイメージを植え付けられつつ、ラストには衝撃的なシーンがが待っている。
ラストではニューヨークの象徴である自由の女神があることで、そこが地球だったことが判明するというどんでん返しです。
このどんでん返しはインパクトがあり、公開から何十年も経った今でも伝説となっている映画となっています。
また、この映画はシリーズ化される程に人気となりました。
後味が悪い"バッドエンド"な結末の映画【邦画】
愚行録
この映画は「人間のなかに潜む醜い感情」を描いた作品です。
そして登場人物がみんなクズです。
映画のタイトル通り、愚行録。
見終わった後には、なんとも言えない、重苦しいモヤモヤした気持ちが残ります。
普段みんなに見せる顔と、自身の奥底にある邪悪で汚い感情の塊。
それはきっと誰しもが持ち合わせている「特別なことではない」と叩きつけられた気持ちになりました。
この映画は終始胸くそ悪いです。残虐なシーンもあります。
しかし主演の二人の演技に引き込まれて、どんどん観進めてしまいます。
ただいまブレイク中の中村倫也さんも出演されています。
この方の演技もまた絶品です。
何回かある驚きの展開。
人間の醜い感情が渦巻くストーリー。
ラストは「一番のクズは誰だ」との、なんとも言えない終わり方。
恋愛映画などとは違うバッドエンドな結末。
観た方には意味が分かるかと思います。
ゴールデンスランバー
バッドエンドかどうかは観る人によって解釈が違うのかも知れませんが、個人的には「バッドエンド」だと感じました。
冒頭で主人公はとある事件の犯人に仕立て上げられ、マスコミや警察から追われる身となります。
しかし主人公の友人達は無実である事を信じ、主人公を逃がすために力を合わせます。
その辺りの人間模様がとても感動的で泣けます。
主人公のこれまでの人生、人との繋がりが正しいものであったからこその描写で、とても温かい気持ちになれるでしょう。
日ごろの行いというのは大事なんだな~と思わせてくれました。
最後はちょっとだけ納得が行かない部分もあるのですが、泣けたりクスッと笑えたり、色々な感情を与えてくれる映画です。
彼女がその名を知らない鳥たち
わざわざ映画館にまで観に行ったのは、「登場人物全員クズ」という触れ込みと、「あなたはこれを愛と呼べるか」というキャッチフレーズに惹かれたためです。
まず第一に、メインキャスト全員が本当にいいところがない役であること!
陣治役の阿部サダヲさんは、外見や仕草が不潔であること…。
陣治の彼女の十和子役の蒼井優さんから邪険に扱われても、十和子に対して異常な執拗さがあります。
その蒼井優さんが出会った、デパート勤務の水島真役の松坂桃李さんもゲス男。
でも惹かれてしまう十和子。
それは十和子が思い続けていた黒崎俊一役の竹野内豊さんに、姿を重ねてしまう部分が多かったため。
肝心の十和子は働くこともせずに、陣治のお金だけで生活しているクレーマー体質。
とにかくクズばかり出てくるし、ラストシーンに向かうまでにどんどん嫌悪感も募る映画で、ラストシーンに至っては「あぁ、そう来るか…」となり、非常に後味の悪いことこの上なし!
でも陣治の一途さには、少し共感してしまいました。
私は貝になりたい
中居正広さん主演の、私は貝になりたい。
私は公開当時、友達と3人で映画館まで足を運びこの映画を観ました。
映画の途中は中居正広さんらしいユーモアあふれるやりとりや笑顔が見られたりするのですが、そのクライマックスは私が今まで観た映画のなかではトップクラスのバッドエンド。
映画が終わり、照明がついて館内が明るくなり、席から立ち上がり、残ったポップコーンや荷物を持ち、館内を出ましたが、その間私と友達2人は一言も発することができませんでした。
外に出てようやく明るくなったところで、「やばいね...」とやっと言葉が出ました。
見た当時の自分には理解できず、なんて話なんだろうと本当に心がもやもやしたのを覚えています。
そのため、後味が悪い”バットエンド”の映画と聞いて、すぐにこの映画が思い付くくらいです。
怒り
後味が悪いという表現が正しいのかどうかわからりません。
しかし、最後の最後まで誰が犯人なのか分からず、いろんな人がいろんな方面で違う人を疑い、信じていた人に裏切られ、信じることが怖くなるような映画でした。
とりあえず見終わった瞬間、自身含め周りが思いっきり息をはいていたのを覚えている。
息を止めてたかのように、呼吸を忘れるかのように画面から目を離せなかったのです。
何も楽しいなんてことがなく暗い映画ですが、面白い。
そう言えるのはきっと豪華俳優陣の演技力ゆえです。
怖い、けど目が離せない。
見る時は人を信じられなくなるほどの怖さが、この映画には含まれているということを理解して挑んでほしいと思います。
おろち
美貌が崩れていく運命の2人の姉妹の悲劇を描いた作品。
人間の闇を見つめてきたおろちは、姉の一草と妹の理沙が29歳になると美貌が崩れてしまう恐ろしい運命を知っていく。
2人のお互いの嫉妬心や復讐心や絶望、1人の男をめぐっての愛憎といった歪んだ人間の心理がよく描かれています。
ラストシーンの妹・理沙が姉・一草に嘘をついていたことを明かしてからのシーンが圧巻です。
中越典子演じる理沙の気迫あふれる演技に注目。
視聴した後に残る一言では言えない悲壮感・人間の闇など人の危うい心理が1つにまとめられた考えさせる映画です。
凶悪
ピエール瀧さんとリリー・フランキーさん、山田孝之さんの演技が凄いです。
最初は淡々とストーリーが進んで、正直あまり面白くなかったのですが、リリー・フランキーさんとピエール瀧さんの起こしていく事件が残忍でありながらも、心に残るものがありました。
山田孝之さんが演じる記者が、最初のシーンでは全くヤル気が感じられないのに、ラストに向かって別人のようにギラギラしているのも、見どころの一つです。
死んだ人たちを想像するととても気分が悪くなるし、ラストのピエール瀧さんの演技も相まって、見たあとはどんよりします。
しかし、役者さんの演技のリアリティが凄いので、また見たくなってしまう作品です。
クリーピー偽りの隣人
隣の家のおじさんがとにかくサイコパスで、態度や言動も支離滅裂なのが、すでに狂っていて怖いです。
それを香川照之さんが見事に演じきっています。
そして、隣人に関わらなければいいのにどんどん関わってしまう西島秀俊と竹内結子の夫婦二人。
もう見ているうちに、首突っ込むのやめなよって何度も思ってしまいます。
本当にこの夫婦二人のバカさ加減にも胸糞悪くなります。
それでも、見た後に香川照之演じる隣人のおじさんみたいな人って、今の社会にもよくいるよね、って思ってしまいます。
自分の隣人もどんな人なのか深く知らないので、見た後に怖くなってしまいました。
ホラー映画じゃないのに、香川照之さんの演技がいちいち怖くて、本当にハマってるので見てほしいです。
火垂るの墓
言わずと知れた、夏休みに必ずテレビで放送される戦争映画。
兄妹が戦時中ひたむきに生きる姿は涙をさそいます。
歴史を知るために観るという意味では、とてもおすすめできる映画。
でも、可哀想過ぎて、こんな結末は観たくないと誰もが思うでしょう。
戦争映画だと、特攻隊や軍人など戦った人にスポットライトが当たることが多いですが、平凡な兄妹が主人公であることによって戦争の悲惨さがより伝わります。
戦争で親を亡くし、それでもどうにか幼い妹と生きていこうと必死な兄の姿には涙が止まりません。
現代であれば兄も子供と認識される年齢でありながら、頼る大人もいないのです。
束の間のほんわかと和む兄と妹のやりとり等もあり、説教くささを感じることはありません。
ですが、確かに「戦争は二度と起こしてはいけない」と再確認できる映画です。
有名なほたるが飛んでいるシーンも美しく、観たことのない方には是非一度観てもらいたいです。
アニメだけどまるで実写のように説得力のある映画。
バッドエンドですが、日本人なら1度は観るべき映画です。
それでもボクはやってない
痴漢の容疑をかけられた青年が、戸惑いながらも裁判に立ち向かっていく物語。
真面目に生きている男としては、とてもリアルに身につまされる映画でした。
疑いをかけられてからの主人公の行動は、自分もそういうふうに動くだろうなという共感を充分に誘うもので、それが信頼していた警察や司法に裏切られていく展開に、こんなことになってしまうのかと慄然としてしまいます。
ラストの後味の悪さは、こんな理不尽が今の現実に起こりうるんだということをリアルに突きつけて考えさせられました。
私は男性ですが、女性から見たら、また別の後味悪さがある映画だと思います。
リリィシュシュのすべて
岩井俊二監督独特の映像の美しさと、登場人物が全員苦しんでいるギャップが凄まじいです。
ネットの掲示板とリアルの学校生活のギャップ、清純そうな女の子の援助交際というギャップ、仲が良かったはずの友人からのいじめというギャップ。
さまざまなギャップがこの映画の中に詰め込まれています。
2時間ほどの映画の中で、冷たく重く苦しい空気がずっと流れています。
どこも晴れることは無く、主人公を含む登場人物全員が苦しみを抱えたまま結末を迎えます。
胸を抑えたくなるほどの青い春と、リリィシュシュの音楽という救いが象徴的な映画だと思います。
グロテスク
あらすじはさておき結末からざっくり説明すると、カップルが拷問を受けて死んでしまうという内容で、近年稀にみる後味の悪い映画だと自信を持って言えます。
タイトルの通りグロテスクな描写が多いので、猟奇描写が好きな人にもおすすめです。
ストレスで日頃からイライラしていて妄想で思い切り発散したいという方にもこの映画はおすすめ出来ます。
確かにグロテスクな描写は多いのですが、グロテスクというよりもひたすら血糊でそういった演出をしているといった方が正しいかもしれません。
そして、個人的には作品の後半よりも前半の方が猟奇的だと感じました。
ですから、単純にネタバレを知りたいといった方は開始60分後くらいから鑑賞する事をおすすめします。
はっきり言ってしまうとストーリー性はあまり感じられませんが、とにかく後味が悪い思いをしたい時にはこのグロテスクという映画がおすすめです。
ただ、非常に残酷な描写が多いので閲覧注意です。
さまよう刃
妻に先立たれ何より大切にしていた一人娘を殺され、復讐を遂げようと翻弄する主人公。
それを阻止するために追いかける警察。出だしから気分が悪くなるような内容なのですが、私自身娘がいるので、感情移入して見てしまうのです。
何があっても人を殺すのはいけない事という理性と、「もし、自分の娘が同じ目にあったらどうする?」という気持ちとが混じり合って見てる間もモヤモヤします。
しかし、1番モヤモヤするのは、どんな結末を迎えたとしても報われない主人公の想い。
同じ親として、辛すぎます。
映画のラストは見ているこちらまで、正義とはなんだ、犯罪者の人権は必要?と答えの出ないモヤモヤにつつまれ、後味が悪い映画でした。
藁の盾
殺人犯に孫娘を殺されてしまった大富豪。
殺してくれたら懸賞金10億円を払うと新聞に載せ、日本中騒ぎになります。
犯人も自分の命が危ないとやむおえず自首をすることに。
自首した警察署から警視庁へと移送しなくてはならない為、犯人が無事に移送出来るように命じられ護衛をするSP達。
次々に襲いにくる魔の手からすり抜け守るのですが、何人も護衛から犠牲者が出るほどの困難。
全く反省もないこんな殺人犯を必死に守るべきなのか、葛藤する映画です。
たくさんの犠牲を払い、守り抜くことを何度も止めてしまいたいと葛藤して守り抜くも…行きどころのない気持ちで映画は終わりました。
私の中で最悪のバットエンド映画ではないかと思います。
さいごに
いかがでしたか?
バッドエンドな結末の映画は、心がえぐられることも多いです。
入り込みすぎると、何日も寝込んでしまうかもしれません。
ぜひ、気持ちに余裕のあるときに見るようにしてくださいね。
それではまた。
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